神戸の平清盛ゆかりの地をめぐる 神戸市垂水区 乙姫神社 on 2011-10-12 |
紹介します。
乙姫神社の基本情報
住所:神戸市垂水区下畑町神の脇437番地 最寄は神戸市バスの柏台停留所よりすぐ。
連絡先は海神社社務所 TEL:078-707-0188
2007年の10月7日下畑海神社の秋祭りの時の小生のBlogも参照してください。
乙姫神社の入口にはKOBE DE 清盛のロゴマークつきの真新しい看板が新設
されていました(上の写真)。
絵と文書はケント紙にナイフを使い絵を刻む彫画という独自の画法を用いた作品を
造る彫画家、絵地図の作家としても有名な伊藤太一先生(明石在住)の作である。
伊藤太一先生 By Wikipedia
上の写真はペンキも塗り替えられ綺麗になった龍宮城の扁額がある鳥居です。
龍宮城伝説で浦島太郎の物語は誰でも知っているストーリーであるが奈良時代の
万葉集 巻9 1740にも浦島の子を詠める歌というものがある。
作者は高橋虫麻呂と推定されています。
春の日の 霞める時に 住吉の 岸に出で居て 釣舟の とをらふ見れば いにしへの
ことぞ思ほゆる 水江の 浦島の子が 鰹釣り 鯛釣りほこり 七日まで 家にも来ずて
海境を 過ぎて漕ぎ行くに 海神の 神の娘子に たまさかに い漕ぎ向ひ 相とぶらひ
言成りしかば かき結び 常世に至り 海神の 神の宮の 内のへの 妙なる殿に
たづさはり ふたり入り居て 老いもせず 死にもせずして 長き世に ありけるものを
世間の 愚か人の 我妹子に 告りて語らく しましくは 家に帰りて 父母に 事も告らひ
明日のごと 我れは来なむと 言ひければ 妹が言へらく 常世辺に また帰り来て
今のごと 逢はむとならば この櫛笥 開くなゆめと そこらくに 堅めし言を 住吉に
帰り来りて 家見れど 家も見かねて 里見れど 里も見かねて あやしみと
そこに思はく 家ゆ出でて 三年の間に 垣もなく 家失せめやと この箱を 開きて見てば
もとのごと 家はあらむと 玉櫛笥 少し開くに 白雲の 箱より出でて 常世辺に
たなびきぬれば 立ち走り 叫び袖振り こいまろび 足ずりしつつ たちまちに
心消失せぬ 若くありし 肌も皺みぬ 黒くありし 髪も白けぬ ゆなゆなは 息さへ絶えて
後つひに 命死にける 水江の 浦島の子が 家ところ見ゆ
巻9 1741の反歌
常世辺に住むべきものを剣大刀汝が心からおそやこの君
上記のように浦島太郎は亀に乗って龍宮城に行ったのではなく神の娘子の舟で
龍宮城にただりつく設定になっています。
またこの昔話は丹後半島の海岸が舞台となっており、このルーツを辿ることも
面白いのかなと思っています。
乙姫大明神(乙姫神社)での龍宮城のお話は江戸時代に明石藩主であった松平忠国が
沢山の参詣者を集める目的でこの神社を龍宮伝説の地であると創作し、それが
江戸時代以降もずっと続いたという。
松平山城守忠国の次男の松平日向守信之公は新田開発などで地元に貢献し
地元で名君と慕われた。
鯛取山は下畑海神社の東側にあります。
上の写真は天高、大歳神社の石碑(大正12年建立)です。
乙姫神社は乙姫大明神と天高稲荷大明神の2つの摂社があり下畑村の郷社としては
下畑大歳神社と言うのが正式名称かと思います。
地元では乙姫さん、天高さんの愛称で親しまれている。
承安年間(1171~1174年)に平清盛が建立したと伝えられており、下畑海神社
より古い歴史を誇っています。
上の写真の右手が乙姫大明神の看板が架かった社で左手が天高稲荷大明神です。
五穀豊穣の願い共に子孫繁栄を願った神様です。
拝殿のうしろに本殿は無く、バックの巨石さざれ石を御神体としています
平成23年10月下畑町会が新調した乙姫大明神の縁起書きです。
上の写真は拝殿の裏にあった石塔(一部のみ残されている)。
上の写真は乙姫大明神と天高稲荷大明神の拝殿を左手正面から撮ったものです。
上の写真は新調された看板で神の脇のバス停に出る経路が表示されています。
上の写真は塩屋谷川です。
上の写真は一ツ地蔵です。
最後に、平清盛の名前をつけた小惑星の話題について書いておきます。
この小惑星は火星と木星の間にある小惑星帯にあり小惑星番号4375で
1987年2月、新島恒男氏と浦田武氏が群馬県尾島町(現・太田市)で発見し
平清盛と命名しました。
2012年5月現在、小惑星番号が付けられた天体は32万9243個、その内命名された
のは1万7224個です。
このほか平家に関連する小惑星は以下のとおりです。
(4374) 忠盛:清盛の父
(4375)平清盛
(4376) 重盛:清盛の長男
(4377) 維盛:重盛の子供
(4945) 池禅尼:継母
(4959) 二位尼:妻
(5242) 建礼門院:娘
(4376) 重盛:長男
(4377) 維盛:孫
(4402) 経盛:弟
(4488) 時忠:義弟
小惑星番号4374から4377まで、平家の親子四代が連なっている。
浦田武氏は、上記の平氏一族の他にも(3585) 後白河や (3902) 頼朝、さらに(3178) 義経
など、多くの小惑星に平家物語に登場する平安時代末期(保元・平治の乱から源平合戦
にかけて)の人物の名を付けておられます。