神戸市発掘調査報告会と2012年初の積雪 on 2012-2-18 |
写真とメモで記憶にとどめたいと思います。
神戸市発掘調査報告会要綱
日時 平成24年2月18日(土)14時から15時30分
場所 神戸市埋蔵文化財センター3階研修室
毎年、神戸市教育委員会の文化財課では40前後の発掘調査をしている
その中から話題性のあるものをピックアップして発表することとなった。
1. 神戸市西区 出合遺跡第46次調査 弥生時代前期~中世の集落遺跡
発表者:池田学芸員
第14次調査での弥生時代中期中葉の方形周溝墓群
第1~5次、7.9次の古墳時代中期の初期須恵器窯(出合窯)及び
古墳時代後期の帆立貝形古墳(亀塚古墳 全長29m)
などが過去の大きな成果として知られている。
今回の発表では2011年6月以降現在も進められている。
鎌倉時代の木棺墓の遺跡の部分が印象に残った。
27次調査の詳細が遺跡リポジトリで公開されています。
2.神戸市東灘区 北青木(きたおうぎ)遺跡第7次調査 弥生時代中期末の周溝墓と浜堤(砂丘)
発表者:佐藤学芸員
13m×7m 31箇所の発掘調査を行った。
特筆事項としては
1)北青木銅鐸1基の出土
2)弥生時代中期末(2,000年前)の方形周溝墓に埋葬の木棺墓4基と
土器棺1基出土
北青木村の全容解明の1部として発掘地周辺が湿地であったこと墓地と祭祀
などの解明に役に立つものが出土された。
北青木遺跡発掘調査報告書第3次調査 By 遺跡リポジトリ
3.神戸市西区 潤和横尾(じゅんなよこお)遺跡 弥生時代後期の竪穴建物群
発表者:クチノ学芸員
潤和横尾遺跡は標高約65mのところにある高地性集落の遺跡である。
高地性遺跡の存在(何故高地に集落が出来たのか)の意義は従来
戦(弥生時代後期は周辺地域との利権争)が絶えなかったので
その戦に有利なように高地性集落が立地したという従来の説は再考する
必要があるとの見解を述べられた。
神戸市西区の代表的な高地性集落の遺跡は
頭高山遺跡、西神ニュータウン内65地点遺跡
神戸市からの記者発表内容(潤和横尾遺跡)
4.神戸市 兵庫区 祇園遺跡 平安時代後期(福原京遷都前後)の掘立柱建物他
発表者:佐伯学芸員
2011年11月3日の現地説明会に行ったのでその時の様子を小生のBlogで
ご覧ください。
祇園遺跡現地説明会 on 2011-11-3(小生のBlog)
遺跡リポジトリより祇園遺跡第5次発掘調査報告書
上の写真は祇園遺跡と関連して楠・荒田町遺跡のV字とU字の2重周溝の遺構
当日は昼から雪が降り2012年初の積雪となりましたので、
神戸市埋蔵文化財センター周辺の雪景色をアップしておきます。(下の2枚の写真)