古代の神戸 その4 古墳時代(完) 神戸市埋蔵文化財センターの展示から |
春の企画展「古代の神戸」が開催されています。
私は2012年4月26日(木)に神戸市埋蔵文化財センターを訪問し、写真を撮らせて
いただきました。
本日は「古代の神戸」その4回目ということで古墳時代をテーマに企画展での
写真を中心に話を進めていきます。今回がこのシリーズの最終回です。
過去に連載済の題目は以下のとおりです。
古代の神戸 その1 旧石器時代
古代の神戸 その2 縄文時代
古代の神戸 その3 弥生時代
古墳時代は今から約1700年前のAD300年前後から高松塚古墳が築造されたAD700年
前後の400年間を指す。
古代の神戸の展示では下記の区分で紹介されています。
前期 3世紀後半~4世紀代
中期 5世紀代
後期 6世紀代以降
書籍から出現期を纒向石塚古墳の築造年代、3世紀中頃からAD300年
終末期を見瀬丸山古墳が築造されたAD600年ころから高松塚古墳が
築造された700年前後までとする分類方法もあるようである。
古墳時代前期の遺跡
1)神戸市灘区の西求女塚古墳からの出土品の展示
西求女塚古墳は全長約95mの前方後方墳です。
小生のBlogより西求女塚古墳(求女塚西公園)訪問記 on 2011-4-30
左側が碧玉製紡錘車形石製品、右側は画文帯環状乳神獣鏡(6号鏡)
その他鉄製品(鉄剣、鉄刀、鉄槍、ヤリガンナ)、碧玉紡錘車形石製品が展示。
2)神戸市西区の白水瓢塚古墳からの出土品
3)神戸市垂水区舞子浜遺跡の写真展示
上の写真は写真展示。
上の写真は神戸市埋蔵文化財センターにおける舞子浜遺跡の人骨の保管写真。
上記3つの遺跡以外に神戸市内の古墳時代前期の遺跡としては東灘区の処女塚古墳
東求塚古墳、ヘボソ塚古墳、中央区の夢野丸山古墳、兵庫区の会下山二本松古墳
北区の塩田北山東古墳(前方後円墳)、西区天王山4&5号墳(方墳)、堅田神社境内1号墳
西神ニュータウン44&55地点古墳などがあります。
塩田北山東古墳(前方後円墳)の展示がありましたので写真を添付しておきます。(下の写真)
古墳時代中期の遺跡
1)神戸市東灘区住吉宮町遺跡
この遺跡はJR住吉駅周辺にある古墳時代中期から後期のもので70基以上の古墳と
竪穴式住居群が近接して造られています。
下の写真は住吉東古墳の埴輪が出土した時の写真です。
上の写真は住吉宮町遺跡から出土の須恵器と土師器です。
2)神戸市垂水区五色塚古墳
古墳時代中期には神戸においても大規模な前方後円墳が出現しています。
その代表例が兵庫県で最大規模の五色塚古墳です。
詳細は小生のBlog 五色塚古墳 in 2009-2-11
五色塚古墳、小壷古墳と第7回れんげまつり on 2011-4-17
3)神戸市西区王塚古墳
全長約70mの前方後円墳です。
王塚古墳 on 2011-6-23
上記3つの古墳以外に灘区の脇浜天皇塚古墳(推定長さ120m)や
長田区念仏山古墳(全長160m)などが存在していたといわれています。
古墳時代後期の遺跡
1)神戸市垂水区狩口台きつね塚古墳
上の写真は狩口台きつね塚古墳からの出土品。
直径約24mの円墳である。6世紀後半ではあまり例がない二重の堀が掘られています。
外側の堀の直径は52mです。
墳丘は2段の斜面でできており、すべて盛り土でつくられています。
埋葬施設は全長9.5mの横穴式石室で、中には家形石棺が納められていました。
金銅装飾の馬具や武具など100点を超える金属製品や須恵器29点も見つかっています。
見つかった遺物から西暦580年ごろにつくられたことがわかります。
横穴式石室は1回だけでなく何度も人を埋葬できる形式のものです。
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