奈良散策記 その3 元興寺(がんごうじ) |
写真紹介します。
元興寺は1998年ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
南都七大寺の一つです。
南都七大寺は下記のとおりで天平勝宝元年(749)に定められた墾田の
地限の数値は東大寺の次に多く勢力のあった寺であることが判ります。
興福寺(奈良市) 1,000町歩
東大寺(奈良市) 4,000町歩
西大寺(奈良市)
薬師寺(奈良市) 1,000町歩
元興寺(奈良市) 2,000町歩
大安寺(奈良市) 1,000町歩
法隆寺(生駒郡斑鳩町) 500町歩
元興寺の基本情報
住所:奈良市中院町11 TEL:0742-23-1377、0742-23-1376
宗派:真言律宗 曽我馬子により588年に法興寺(飛鳥寺)として建立開始
718年に平城京に元興寺と名を改め移築された。
本尊:智光曼荼羅
公式HP
Wikipediaによる解説
「元興寺(がんごうじ)は、奈良市にある、南都七大寺の1つに数えられる寺院。
蘇我馬子が飛鳥に建立した、日本最古の本格的仏教寺院である法興寺が
その前身である。
法興寺は平城京遷都に伴って飛鳥から新都へ移転し、元興寺となった
The original foundation of the temple was by Soga no Umako
in Asuka, as Asuka-dera.
The temple was moved to Nara in 718, following the capital
relocation to Heijō-kyō.
(ただし、飛鳥の法興寺も元の場所に残り、今日の飛鳥寺となっている)。
奈良時代には近隣の東大寺、興福寺と並ぶ大寺院であったが、
中世以降次第に衰退して、現在は元興寺と名乗る寺院は
次の2つに分かれている。
(1) 奈良市中院町所在の元興寺。1977年までは「元興寺極楽坊」と称していた。
西大寺の末寺で、宗派は真言律宗に属する。本尊は智光曼荼羅である。
(2) 奈良市芝新屋町所在の元興寺。東大寺の末寺で、宗派は華厳宗に属する。
本尊は十一面観音である。」

上の写真は極楽堂本坊(極楽堂または曼荼羅堂)です。
説明板より引用させていただきます。
「この堂は元興寺東室南階大坊(僧坊)の一部であり、本邦浄土六祖の第一祖である
智光法師が感得した浄土曼荼羅を本尊とし寄棟造に大改築された極楽堂本坊である。
極楽堂、曼荼羅堂とも呼ばれ、智光の住房が前身という。古来浄土発祥の聖堂として
名高く、内部柱に念仏講の寄進文がある。
堂の外観は寛元2年(1244)改修時の姿であるが、内陣に奈良時代僧房の身舎部を
残し、西流れの屋根に見る行基葺古瓦は当寺の前身飛鳥寺から移建の際に
運ばれたものである。」

上の写真は元興寺講堂跡の礎石(奈良時代)である。
境内西側の中新屋町で平成10年に発掘されたものだそうです。

上の写真は元興寺総合収蔵庫に展示されている元興寺の創建当時の模型です。
非常に規模の大きい寺であったことが判ります。

上の写真は元興寺総合収蔵庫に展示されている聖徳太子立像です。
文永5年(1168)に造られたものである。

上の写真は元興寺総合収蔵庫に展示されている五重小塔です。
Wikipediaによる解説より引用させていただきます。
「奈良時代。高さ5.5メートルほどの小塔だが、内部構造まで省略せずに忠実に
造られており、「工芸品」ではなく「建造物」として国宝に指定されている。
同じく建造物として国宝に指定されている海龍王寺の五重小塔は、
奈良時代の作であるものの内部構造は省略されているため、現存唯一の
奈良時代の五重塔の建築様式を伝える資料として貴重である。
かつては「小塔院」の建物内に安置されていたと伝えられる。
一貫して屋内にあったため傷みが少ない。 」

上の写真はこの期間特別開帳された厨子入智光曼荼羅を赤外線写真で撮ったものです。
同じく元興寺総合収蔵庫に展示されているものです。

上の写真は元興寺総合収蔵庫に展示されている千体佛(地蔵尊) 鎌倉時代末期です。

上の写真は元興寺総合収蔵庫に展示されている木造玉眼 弘法大師坐像
弘法大師空海は延暦14年(795)東大寺戒壇において元興寺泰信和上を戒師とし、
大安寺」勒操の弟子として具足戒を受けている。
元興寺には泰範や仲継、護命僧正など空海と関係深い学僧がいた。

上の写真は禅室である。僧坊として使用され 東西28.6m、南北12.8m、高さ8.4m
の建物である昨年この建物の屋根裏の頭貫として586年ごろに伐採された木材が
使用されていることが判明。正倉院より古い木造建築で日本最古と言える。
昨年(2010)10月17日より11月13日に禅室の屋根裏が公開されたようである。
日本書紀の記述では590年に用材を伐採したとある。
禅室の南側に2,500余基の石塔、石仏類(総称して浮図田(ふとでん))が
あります。毎年8月23日、24日の地蔵会の折、万灯供養が行われます。

最後に極楽堂本坊、禅室(僧坊)をバックに私の記念写真を撮ってもらいました。