神戸市西区の枝吉城跡 on 2011-6-23 |
2011年6月23日に写真を撮ってきましたので紹介します。
まず枝吉城跡案内板より引用させていただきます。
「枝吉城は戦国戦乱の時代が幕をあける15世紀中頃の明石氏によって築城された。
明石氏は古代明石郡の大領を先祖とするという言い伝えがある。
城を台地上に構え、その東縁には城主の居館(現在の吉田郷土館と神本神社付近)
を中心に城下町が形成され一時は地域の中心として賑わった。
その後、枝吉城は二度の合戦を経て、城下町もその度に戦火にあったが、16世紀末
にはキシタン大名の高山右近重友が最後の城主となり、1世紀半にわたる枝吉城の
歴史は終わった。
枝吉城が築かれていた台地は城山と呼ばれ、6万3千余平方メートルの範囲には
田畑や雑木林、溜池があった。この台地上には稲作開始期にあたる弥生前期の
村落跡もあったが、枝吉城の築城の際に壊されてしまった。
弥生前期の村落跡「播磨吉田遺跡跡」と「枝吉城跡」の顕彰碑が城山台地上に
建立され、この地の歴史に一ページを記念している。」
築城当時は濠や周辺のため池があり古明石城と言われるだけの風格がある城
であったと思われますが現在は大半が消滅し僅かに上の写真の本丸跡の一部が
残されているだけです。
枝吉城(えだよしじょう 、別名 しきつじょう)跡の基本情報
住所:神戸市西区枝吉4丁目7番地の1(吉田郷土館)
築城年:1429年前後(永享元年前後) 近くの報恩寺の建立時期よりの推定
廃城年: 1585年(天正13年)
歴代城主
第1代 明石(越前守)尚行
第2代 明石(周防守)祐実
第3代 明石(右京亮)則行
第4代 明石(修理亮)長行
第5代 明石(左京亮)祐行
第6代 明石(左近助)則実
第7代 高山右近重友
枝吉城の支城
高畑城
下津橋城
脇村城
菅野城
所在地の地図を添付しておきます。(吉田郷土館の西側にあります)
上の写真は枝吉城跡の顕彰碑。
上の写真は播磨吉田遺跡の顕彰碑
上の写真は説明板に書かれている往時の枝吉城の城郭配置図。
城下町の様子は書かれていませんが北屋敷・南屋敷・連雀(商家)・城ケ内・垣内
という地名として武家屋敷の名残り、連雀商人の商家などの名残りの地名が
残っています。
キリシタン大名として有名な高山右近が最後の城主とされていますが、一説では
船上城に直接入城との話もあるようです。
船上城についての小生のBlog。
説明板で二度の合戦の話がありますがWikipediaより説明を引用させて
いただきます。
第一次枝吉城の戦い
天文7年(1538年)に尼子晴久軍の侵攻により淡路の岩屋城に避難していた赤松晴政であったが、
阿波の細川持隆の支援を得て、翌天文8年(1539年)に船で明石に上陸した。
この時の戦いの様子を『赤松記』によると、赤松晴政・細川持隆連合軍は、
人丸塚(現在の兵庫県立明石公園)付近に布陣し明石長行がいる枝吉城を攻囲した。
この圧倒的大軍をみた明石長行は、抵抗するのは不利と思えたのか「和談にいたし」とし降伏を
申し出た。これに対して晴政は「明石御赦免」とし和睦を受け入れた。
次いで赤松・細川連合軍は御着城がある常楽寺に布陣した。しかし『赤松記』によると
“ すでに御著に御敵居申候 ”
—赤松記
とあり、御着城には尼子軍の拠点となってかなりの大部隊がいたらしく、
赤松・細川連合軍は別所就治を頼って三木城に移動した。
第二次枝吉城の戦い
第一次枝吉城の戦いで明石氏は赤松晴政に降伏した後、晴政は細川晴元方となっているので、
明石氏も晴元方に属していた。
一方三好長慶は、江口の戦いで晴元配下の三好政長を討ち取り晴元を畿内から追放した。
畿内をほぼ収めつつある長慶ではあったが、阿波には弟三好義賢、讃岐には十河一存、
淡路には安宅冬康、そして摂津と京都には自身がおり、阿波から京都への補給路を確保するため、
中間地点にある枝吉城が晴元方に属しているのは問題があった。
長慶は兵をあげることになった。天文23年(1554年)11月2日、まず先陣として三好義賢隊と
篠原長房隊が枝吉城を攻囲した。しかし、すぐには合戦とはならず明石某軍も防備に徹し籠城戦となった。
年が明け天文24年(1555年)正月に三好長慶軍も攻囲軍に加わり太山寺に布陣した。
明石某はあまりの大軍に驚いたのか同月13日、“ 色々懇望候て噯に成て和睦 ”
—細川両家記
と和睦した。その後三好長慶軍は依藤城に向かいそこで約1カ月間の猛攻となり、
城主であった三木次郎が和議を申し入れ開城した。
播磨東ニ郡を手に入れた三好長慶軍は同年2月27日、ひとまず開陣とし、
阿波勢、淡路勢、そして長慶も芥川山城に帰城した。
枝吉城や船上城は明石城の築城前の明石の領地を統合していたという意味で
古明石城と呼ばれることもあります。
明石城の城主の変遷についてまとめたものがありますのでそちらも参照ください。