電源別発電コスト |
12月13日に示された電源別発電原価計算を了承した。
詳細な報告書はhttp://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei/siryo/sakutei10/siryo2-2-3.pdf
報告書のPage66に2010年における発電コスト 参考として2004年試算結果
Page67には2030年における発電コストが算出されています。
電源別発電コストを検証する政府のコスト等検証委員会(委員長=石田勝之内閣府副大臣)
は13日、閣僚級のエネルギー・環境会議に提出する報告書案を議論した。
モデルプラント方式で2010年、30年の発電コスト(1キロワット時あたり)を試算した。
原子力は事故対応費、政策経費などを含め、10年、30年とも8.9円以上を下限とした。
原子力の発電コストは事故損害額が1兆円増えるたびに0.1円増加する。
8.9円は約6兆円の損害を前提としており、10兆円なら9.3円、20兆円なら10.2円まで
上昇する。設備利用率70%、40年稼働を前提に置いた。
石炭火力 設備利用率80%
2010年モデルプラントで9.5~9.7円/kWh
2030年モデルプラントで10.3円~10.6円/kWh
2004年の試算では5.7円/kWh
LNG火力 設備利用率80%
2010年モデルプラントで10.7~11.1円/kWh
2030年モデルプラントで10.9~11.4円/kWh
2004年の試算では6.2円/kWh
原子力
2010年モデルプラントで8.9~円/kWh
2030年モデルプラントで8.9~円/kWh
2004年の試算では5.9円/kWhであったので今回の結果は約5割高となった。
石油火力 CO2対策費を含む 設備利用率10%
2010年モデルプラントで36.0~37.6円/kWh
2030年モデルプラントで38.9~41.9円/kWh
設備利用率80%の場合
2010年モデルプラントで20.8~22.4円/kWh
2030年モデルプラントで23.8~26.7円/kWh
風力発電(陸上)
2010年モデルプラントで9.9~17.3円/kWh
2030年モデルプラントで8.8~17.3円/kWh
立地場所によって発電コストに差が生じている。
小水力
2010年モデルプラントで19.1~22.0円/kWh
2030年モデルプラントで19.1~22.0円/kWh
地熱発電
2010年モデルプラントで9.2~11.6円/kWh
2030年モデルプラントで9.2~11.6円/kWh
大規模太陽光
2010年モデルプラントで30.1~45.8円/kWh
2030年モデルプラントで12.1~26.4円/kWh
NEDOが推進する次世代太陽電池(薄膜シリコン太陽電池、
CIS・化合物太陽電池、有機系太陽電池)の開発により
2020年に14円/kWh
高度秩序構造を有する薄膜多接合太陽電池、ポストシリコン超効率太陽電池
の開発により2030年に7円/kWhが達成されるとしている。
上の写真は12月29日 23時10分から放送のNHKTV「双方向解説どんな国を目指すのか」
で示された電源別発電コストの試算結果の表である。
石油火力が稼働率10%のデータを採用されているので厳密な比較となっていないのが
気にかかる表ではあるが、原子力発電以外では風力発電やLNG火力が地熱発電が
現実的なコストでありこれらの発電の普及を妨げている要因を取り除くことが急務と
NHKの放送の中でも話されていた。