iPS細胞 |
内容について紹介(下記Blog)
http://ameblo.jp/seiyo39/entry-11362091830.html
該当の特許番号などについて記載しておきます。
(1)特願2007-550210、WO2007/069666、特許5098028(2012-10-5登録)
【発明の名称】核初期化因子
【請求項1】 4遺伝子
下記の(1)、(2)、(3)および(4)の遺伝子:
(1)Oct3/4遺伝子、
(2)Klf2遺伝子およびKlf4遺伝子から選択される遺伝子、
(3)c-Myc遺伝子、N-Myc遺伝子、L-Myc遺伝子およびc-Myc遺伝子の変異体であるT58A遺伝子から選択される遺伝子、および
(4)Sox1遺伝子、Sox2遺伝子、Sox3遺伝子、Sox15遺伝子およびSox17遺伝子から選択される遺伝子、
を体細胞に導入する工程を含む、誘導多能性幹細胞の製造方法であって、初期化される体細胞において前記遺伝子のいずれかが発現している場合には、該遺伝子は導入する遺伝子から除かれていてもよい、前記製造方法(ただし、Oct3/4遺伝子、Klf4遺伝子、c-Myc遺伝子およびSox2遺伝子を体細胞に導入する場合を除く)。
【請求項2】 3遺伝子
下記の(1)、(2)および(3)の遺伝子:
(1)Oct3/4遺伝子、
(2)Klf2遺伝子およびKlf4遺伝子から選択される遺伝子、および
(3)Sox1遺伝子、Sox2遺伝子、Sox3遺伝子、Sox15遺伝子およびSox17遺伝子から選択される遺伝子、が導入された体細胞を塩基性線維芽細胞増殖因子の存在下で培養する工程を含む、誘導多能性幹細胞の製造方法であって、初期化される体細胞において前記遺伝子のいずれかが発現している場合には、該遺伝子は導入されていなくてもよい、前記製造方法(ただし、Oct3/4遺伝子、Klf4遺伝子およびSox2遺伝子が導入された体細胞は前記体細胞から除かれる)。
【請求項3】
下記の工程(1)および(2):
(1)請求項1記載の製造方法により誘導多能性幹細胞を得る工程、及び
(2)上記工程(1)で得られた誘導多能性幹細胞を分化誘導する工程、
を含む、体細胞の製造方法。
【請求項4】
下記の工程(1)および(2):
(1)請求項2記載の製造方法により誘導多能性幹細胞を得る工程、及び
(2)上記工程(1)で得られた誘導多能性幹細胞を分化誘導する工程、
を含む、体細胞の製造方法。
【請求項5】
体細胞がヒト細胞である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
(2)USPについて
出願番号 12/213,035 2008年6月13日 登録番号 8,278,104 2012年10月2日
聞各紙でiPS細胞特許に関する記事が報道された。
下記は時事通信の電子版で5月11日に発信された内容である。
京都大学は11日、体のあらゆる細胞になれる人工多能性幹細胞(iPS細胞)から
目的の細胞を作製する方法の特許を、米国で取得したことを明らかにした。
研究機関や企業がiPS細胞から分化させた細胞を使用、販売する場合にも権利が及び、
京大は「新薬開発の盛んな米国で特許を取得した意味は大きい」としている。
iPS細胞は京大の山中伸弥教授らが世界で初めて開発した。同大はiPS細胞の
作製方法などについて既に米国で特許を取得。今回はiPS細胞を分化・誘導して別の
細胞を作る方法で特許が認められた。同様の特許は、日本では取得済みという。
これらの新聞記事では対象となる特許に関する情報がないので特許ナンバーのみを
下記に記載する。
(1)今回権利化したUS特許
US特許番号 8,129,187 2012.3.6
Appl. No.: | 12/656,907 |
---|
特許の題名:Somatic cell reprogramming by retroviral vectors encoding
Oct3/4. Klf4, c-Myc and Sox2
発明者:Yamanaka; Shinya (Kyoto, JP), Takahashi; Kazutoshi (Kyoto, JP),
Okita; Keisuke (Kyoto, JP)
(2)今回以前に権利化しているUS特許(2件)
1)US特許番号 8,048,999 2011.11.1
特許の題名:Nuclear reprogramming factor 核初期化因子
発明者:Yamanaka; Shinya (Kyoto, JP), Takahashi; Kazutoshi (Kyoto, JP),
Okita; Keisuke (Kyoto, JP)
2)US特許番号 8,058,065 2011.11.15
特許の題名:Oct3/4, Klf4, c-Myc and Sox2 produce induced pluripotent stem cells
発明者:Yamanaka; Shinya (Kyoto, JP), Takahashi; Kazutoshi (Kyoto, JP)
上記の特許に関する中身については小生の下記Blogでまとめています。
京大の山中教授グループがiPS細胞を分化・誘導して別の細胞を作る方法でUS特許を取得
ジャパンナレッジという辞典類のデータベースからiPS細胞の特許に関する記載
を転載させていただきます。
【総合目次】 > 科学・技術 > 遺伝子・DNA技術 > ▲「遺伝子・DNA技術」の注目語 > ◆iPS細胞の特許
2011年8月、京都大学は、06年に山中伸弥教授が開発したiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作る技術に関する1件の特許が、アメリカ合衆国で成立したことを発表した。京都大学は08年6月に特許管理会社iPSアカデミアジャパンを設立し、特許戦略を立ててきた。iPS細胞に関する特許は、すでに、国内(08、09年に3件)のほか、イスラエル、ニュージーランド、シンガポール、南アフリカ、ユーラシアで、また11年5月30日にはヨーロッパで成立している。国内では特許の範囲を狭くして早く成立させ、ヨーロッパでは広い範囲の遺伝子と遺伝子が作るたんぱく質にまで拡大するという異なった作戦をとった。アメリカでは、申請内容の一部がアイピエリアン社(iPerian)の出願と重なっており、成立が懸念されていたが、11年1月に、京都大学が同社から特許の譲渡を受ける契約が成立していた。大学が特許取得に力を入れるのは、「特定の企業が重要な特許を独占し、技術が囲い込まれることを避けるため」といわれている。→iPS細胞
”iPS細胞の特許[遺伝子・DNA技術]”, 現代用語の基礎知識, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2012-10-18)
山中伸弥先生が2007年頃に発表された記事についてイミダスより転載。
分野一覧 > 科学 > イミダス編 科学 > アルファベット > iPS細胞(人工多能性幹細胞)
京都大学の山中伸弥教授らのチームが、マウスの皮膚細胞をもとに、さまざまな臓器に“変身”させられるiPS細胞を作り出したことが、2007年6月に報じられた。従来、機能を失った臓器を人工的に作り出す「再生医療」の研究では、受精後1週間ほどの卵子(胚)から作るES細胞(胚性幹細胞 embryonic stem cell)が中核をなしてきた。だが、倫理的な問題とともに、自分以外の要素を半分もつ受精卵に由来するため、拒絶反応の問題もあった。そこで、患者自身の細胞に手を加えて、ES細胞と同様の機能をもつ細胞を作る研究が競われている。そうした中、同教授らのチームは、世界にさきがけて、成人したヒトの皮膚細胞からiPS細胞を作り出すことにも成功し、同年11月20日付の科学誌「Cell」電子版にて発表。また、翌日付の国内での報道発表では「iPS細胞」の和訳を、従来の「人工万能幹細胞」ではなく、「人工多能性幹細胞」とした。マウスの場合と同様に、ES細胞に含まれる4種の遺伝子を組み合わせ、ヒトの皮膚から得た細胞に組み込んで作成する。一方、アメリカのウィスコンシン大学などのチームも、ヒトの胎児や新生児から得た皮膚細胞に、4種中2種を異なる組み合わせにした遺伝子を導入することで、iPS細胞の作成に成功。同月20日付の「Science」電子版にて発表している。さらに、山中教授らのチームは、4種の遺伝子の一つにがん遺伝子を用いていたが、これを使わずに、3種の遺伝子のみを組み込んだiPS細胞の作成にも成功し、同月30日付の「nature biotechnology」電子版にて発表した。
[イミダス編]
[2007.12]
”iPS細胞(人工多能性幹細胞)[イミダス編 科学]”, 情報・知識 imidas, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2012-10-18)
2012年5月以前に書いたiPS細胞に関して小生が書いた記事へのリンクです。
Glis1(グリース・ワン)遺伝子発見by 山中教授の研究グループ iPS細胞治療への道に光明
サイエンスZero iPS細胞 見えはじめた臨床試験を視聴して
山中教授らのiPS細胞の特許使用権をフランスのセレクティス(Cellectis)に供与
万能細胞(ES細胞、iPS細胞、クローンES細胞)の研究
ヒト歯乳頭からの幹細胞及び利用方法 特開2006-238875
親知らずからiPS細胞 2010-9-27神戸新聞夕刊
京都大学 iPS細胞研究所の紹介
このBlogの中で米ベンチャー企業のアイピエリアン社(iPierian)が国際特許で日本の
研究者よりも先にイギリスの特許を得たことも印象に残った。と書いていますが
京都大学はこの特許を買い取っています。
英国特許番号はGB2450603
iPS使わず神経細胞 米スタンフォード大学マウス実験
iPS細胞 英で米社に特許
京都大学 山中伸弥教授のiPS細胞に関する2特許が登録成立
平成21年11月20日に成立した下記2つの特許に関する記事です。
特開2009-165478(登録特許No.JP4411362)
特開2009-165481(登録特許No. JP4411363)
iPS細胞の研究に関するNews
iPS細胞研究の最近の動き
バイエル社ヒトiPS細胞の特許を譲渡の方向
最近、話題のミップス細胞について調べた結果を添付しておきます。
分野一覧 > 科学 > イミダス編 科学 > アルファベット > mi-iPS細胞
大阪大学の森正樹教授らのチームが開発した、マイクロRNAを用いて作る新たなiPS細胞(人工多能性幹細胞)。2011年5月26日付のアメリカの科学誌「Cell Stem Cell」の電子版で発表したもので、「ミップス細胞」とよむ。人間の細胞は臓器ごとに無数の種類があるが、もとはいろいろな臓器の細胞に変化できる幹細胞(stem cell)が分裂を繰り返しながら分化し、それぞれの役割を担う細胞ができあがっていく。iPS細胞は、3~4種の遺伝子をウイルスを運び役にして皮膚細胞などに導入することで、幹細胞の段階までさかのぼらせたもので、06年に京都大学の山中伸弥教授が開発を発表して以来、世界的な研究競争が繰り広げられている。しかし、再生医療の目的が期待されている半面、導入する遺伝子やウイルスのせいでがん化してしまう問題は依然として解決されておらず、導入する遺伝子の種類や数を変えたり、化学物質を使ったりするなど、さまざまな模索がなされ、その成果は頻繁に発表されている。森教授らのチームはマウスの細胞を調べ、幹細胞だけに存在するマイクロRNA(miRNA ; micro RNA)が60個以上あることに注目。マイクロRNAはわずか20数個の塩基が連なっただけのリボ核酸(RNA)の断片で、たんぱく質の合成を調整する働きがある。そのうちの「mir-200c」「mir-302」「mir-369」という3種を組み合わせ、溶液にして皮膚細胞や脂肪細胞にかけると、20~30日後にiPS細胞とほぼ同じ性質をもつ幹細胞に変化することが確認された。発がんリスクのある遺伝子やウイルスを用いないため、現時点でもっとも安全なiPS細胞を得られる手法ではあるが、生産効率は1%未満と低く、この課題を改善していく余地がある。
[イミダス編]
[2011.06]
”mi-iPS細胞[イミダス編 科学]”, 情報・知識 imidas, ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2012-10-18)