2012年 10月 23日
ES細胞、iPS細胞関連技術の開発の歴史(理研神戸研究所パネル展示より) |
2012年10月20日(土)に理化学研究所神戸研究所で一般公開があり出かけました。
そこで目をひくパネル展示がありましたので写真紹介します。
内容はES細胞、iPS細胞関連技術の開発の歴史に関するものです。
パネル内容に若干の付加情報を加えて書きました。

上のパネルは1938年ハンス・シュペーマンは体細胞核移植実験のアイデアを提唱
1935年胚誘導(オーガナイザー)の研究でノーベル生理学賞を受賞。
ハンス・シュペーマンHans Spemann氏(1869-1941)の詳細 By Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Spemann
彼は、実験発生学的方法を大きく進め、特にそれまでわずかな例しか行われなかった
、卵や胚を紐で縛って区切る方法、いわゆる緊縛法を非常に多くの回数行った。
しかし、直径2mmのイモリの卵を新生児の髪の毛を用いて縛る、という極度に
ストレスのたまる実験を長きにわたって行っていたため、やがて左手が
動かなくなってしまった。
彼はその初期にはイモリ胚のレンズの発生を研究し、これが眼胚に依存することを
知った。また上記のような緊縛法の結果から次第に誘導の発見へと導かれた。
原口背唇部を移植することで二次胚を形成させた彼の有名な実験はマンゴルト(Hilde Mangold 1898-1924)と共同で行ったものである。原口背唇部の二次胚誘導能をもつ領域をシュペーマン・オーガナイザーあるいはシュペーマン/マンゴールド・オーガナイザーと呼ぶ。
Yes,We Love Science!のBlogで平易で判りやすく説明

上のパネルはシュペーマンのアイデアから14年USAのロバーツ・ブリッグスRobert Briggsと
トーマス・キングThomas Joseph Kingが核移植によってカエルのクローン作製に成功。
卵子がある程度分化した細胞の核を「初期化」し、もう一度発生を繰り返せる
ことが明らかになった。
未受精卵に胚細胞の核を移植する方法(胚細胞核移植)による最初のクローン動物は、
1952年にロバート・ブリッグスとトーマス・キングによりヒョウガエルから作られた。
このときは、分化の進んでいない初期胚の細胞や核を不活化した未受精卵に
移植することによりクローンを作成した。

上のパネルは1954年リロイ・スティーブンスが多能性を持った細胞を確認
テラトーマの発生率の高い129 系マウスを創りこの分野の研究を飛躍させた。
テラトーマteratomaとは、異常な組織構造を含む腫瘍。奇形腫を構成する細胞、
奇形腫から樹立された細胞株。

上のパネルは1962年ジョン・ガードン、今回山中伸弥先生と共にノーベル
医学・生理学賞を受賞した人物である。
体細胞の核を用いてクロンカエルを作製。1952年のロバート・ブリッグスと
トーマス・キングが手がけたカエルのクローン技術を確立させた。

上のパネルは1984年マーティン・エバンスMartin John Evansはマウスの初期胚
から胚肝細胞=ES細胞を樹立。
1981年、エヴァンズとカウフマンは、マウスの胚盤胞より幹細胞を分離し、
培養に成功したと発表した。これは同年、ゲイル・マーティンによっても達成されて
いたが、その培養された幹細胞の扱いやすさによって、生殖細胞に遺伝子特異的な
変異を導入することやトランスジェニックマウスを作成することが可能となった。
これは、エヴァンズがマサチューセッツ工科大学のホワイトヘッド研究所で
働いていた時のことだった。
エヴァンズらは培養中の幹細胞に新しい遺伝子を導入した形質転換幹細胞を用いて
キメラ胚ができることも示した。いくつかのキメラ胚は配偶子まで作り、
マウスの次の世代にも導入した変異を残すことが可能となった。
またヒポキサンチン-グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を
導入したトランスジェニックマウスを作ることにも成功した。
HPRT変異はレトロウイルスを用いて挿入されたが、この遺伝的組換えを
用いたトランスジェニックマウスの作成法は後にオリヴァー・スミティーズ、
マリオ・カペッキの研究室で完成された。

上のパネルは1987年オリヴァー・スミティーズとマリオ・カペッキにより
ノックアウトマウスの作製技術を確立させた。
オリヴァー・スミティーズ(Oliver Smithies、1925年6月23日 - )は
アメリカ合衆国の遺伝学者、ノーベル生理学・医学賞受賞者。
ゲル電気泳動法の開発、マリオ・カペッキとの組み換え遺伝子の相同組み換え法
の開発によって知られる。これらによってノックアウトマウスの製作や
遺伝子標的法の技術を確立した。
マリオ・レナート・カペッキ(Mario Renato Capecchi, 1937年10月6日 - )は、
イタリア生まれのアメリカの遺伝学者。ユタ大学教授。
2007年ノーベル生理学・医学賞の受賞者。
同時受賞者は、マーティン・エヴァンズおよびオリヴァー・スミティーズ。

上のパネルは1996年イアン・ウィルムット Ian Wilmutはクローン羊「ドリー」
哺乳類の体細胞クローンは初めて。
ドリーは2003年に死んでおり、その剥製(はくせい)は現在、
スコットランド博物館に展示されている。
詳細な記事は下記サイトを照会してください。
1996年のクローン羊ドリーの誕生
イアン・ウィルムットと共同でドリーの誕生に貢献したキース・キャンベル博士が
2012年10月5日に58歳で死去したと英国のノッティンガム大学より発表されていました。
チームの中心的人物だったイアン・ウィルマット氏が2009年、英紙デーリー・テレグラフ
にキャンベル氏が最大の貢献者だったことを認めていた。
しかし、昨年のノーベル賞の受賞を逃してしまった。
山中博士はキャンベル博士とウィルモット博士の研究から「iPS細胞」の研究に踏み切ったと
インタビューで述べられています。
以上の内容は下記サイトを参照させていただきました。
http://quasimoto.exblog.jp/19032613/
1998年にCDB(理化学研究所)の若山照彦らはマウスの体細胞クローンの作製に
成功。

上のパネルは1998年ジェームス・トムソンが人ES細胞の樹立に成功。

上のパネルは2006年山中伸弥がiPS細胞の作製に成功。
上述のジェームス・トムソン氏も同じ時期にiPS細胞の作製に成功しています。

上のパネルは2007年ES細胞樹立のマーティン・エバンスMartin John Evansと
ノックアウトマウスの作製技術確立のオリヴァー・スミティーズとマリオ・カペッキ
の3名がノーベル医学・生理学賞を受賞。
ノックアウトマウスについて
特定の遺伝子のみを人工的に欠如(ノックアウト)させたマウス。
これまで実験的に調べられ、生体内での働きが推測の域にあった遺伝子機能の
解明などに役だつ実験動物として、医学、生物学などの分野で注目を浴びており、
生産、販売を事業展開する企業も出現した。
特定遺伝子を壊したマウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を受精卵に導入して、
正常な細胞とノックアウトされた細胞とが混じったキメラマウスをつくり、
何代か掛けあわせて作成されることが多い。すでに脳の情報伝達、筋肉形成に
関与する遺伝子などを欠如させた数百種類のノックアウトマウスがつくられて
いるとも報告されており、アルツハイマー病、パーキンソン病など難病の
モデル動物や遺伝子治療、新薬の開発への利用が期待される。
[飯野和美] 下記より引用。
”ノックアウトマウス”, 日本大百科全書(ニッポニカ), ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2012-10-23)
そこで目をひくパネル展示がありましたので写真紹介します。
内容はES細胞、iPS細胞関連技術の開発の歴史に関するものです。
パネル内容に若干の付加情報を加えて書きました。

上のパネルは1938年ハンス・シュペーマンは体細胞核移植実験のアイデアを提唱
1935年胚誘導(オーガナイザー)の研究でノーベル生理学賞を受賞。
ハンス・シュペーマンHans Spemann氏(1869-1941)の詳細 By Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Hans_Spemann
彼は、実験発生学的方法を大きく進め、特にそれまでわずかな例しか行われなかった
、卵や胚を紐で縛って区切る方法、いわゆる緊縛法を非常に多くの回数行った。
しかし、直径2mmのイモリの卵を新生児の髪の毛を用いて縛る、という極度に
ストレスのたまる実験を長きにわたって行っていたため、やがて左手が
動かなくなってしまった。
彼はその初期にはイモリ胚のレンズの発生を研究し、これが眼胚に依存することを
知った。また上記のような緊縛法の結果から次第に誘導の発見へと導かれた。
原口背唇部を移植することで二次胚を形成させた彼の有名な実験はマンゴルト(Hilde Mangold 1898-1924)と共同で行ったものである。原口背唇部の二次胚誘導能をもつ領域をシュペーマン・オーガナイザーあるいはシュペーマン/マンゴールド・オーガナイザーと呼ぶ。
Yes,We Love Science!のBlogで平易で判りやすく説明

上のパネルはシュペーマンのアイデアから14年USAのロバーツ・ブリッグスRobert Briggsと
トーマス・キングThomas Joseph Kingが核移植によってカエルのクローン作製に成功。
卵子がある程度分化した細胞の核を「初期化」し、もう一度発生を繰り返せる
ことが明らかになった。
未受精卵に胚細胞の核を移植する方法(胚細胞核移植)による最初のクローン動物は、
1952年にロバート・ブリッグスとトーマス・キングによりヒョウガエルから作られた。
このときは、分化の進んでいない初期胚の細胞や核を不活化した未受精卵に
移植することによりクローンを作成した。

上のパネルは1954年リロイ・スティーブンスが多能性を持った細胞を確認
テラトーマの発生率の高い129 系マウスを創りこの分野の研究を飛躍させた。
テラトーマteratomaとは、異常な組織構造を含む腫瘍。奇形腫を構成する細胞、
奇形腫から樹立された細胞株。

上のパネルは1962年ジョン・ガードン、今回山中伸弥先生と共にノーベル
医学・生理学賞を受賞した人物である。
体細胞の核を用いてクロンカエルを作製。1952年のロバート・ブリッグスと
トーマス・キングが手がけたカエルのクローン技術を確立させた。

上のパネルは1984年マーティン・エバンスMartin John Evansはマウスの初期胚
から胚肝細胞=ES細胞を樹立。
1981年、エヴァンズとカウフマンは、マウスの胚盤胞より幹細胞を分離し、
培養に成功したと発表した。これは同年、ゲイル・マーティンによっても達成されて
いたが、その培養された幹細胞の扱いやすさによって、生殖細胞に遺伝子特異的な
変異を導入することやトランスジェニックマウスを作成することが可能となった。
これは、エヴァンズがマサチューセッツ工科大学のホワイトヘッド研究所で
働いていた時のことだった。
エヴァンズらは培養中の幹細胞に新しい遺伝子を導入した形質転換幹細胞を用いて
キメラ胚ができることも示した。いくつかのキメラ胚は配偶子まで作り、
マウスの次の世代にも導入した変異を残すことが可能となった。
またヒポキサンチン-グアニン ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を
導入したトランスジェニックマウスを作ることにも成功した。
HPRT変異はレトロウイルスを用いて挿入されたが、この遺伝的組換えを
用いたトランスジェニックマウスの作成法は後にオリヴァー・スミティーズ、
マリオ・カペッキの研究室で完成された。

上のパネルは1987年オリヴァー・スミティーズとマリオ・カペッキにより
ノックアウトマウスの作製技術を確立させた。
オリヴァー・スミティーズ(Oliver Smithies、1925年6月23日 - )は
アメリカ合衆国の遺伝学者、ノーベル生理学・医学賞受賞者。
ゲル電気泳動法の開発、マリオ・カペッキとの組み換え遺伝子の相同組み換え法
の開発によって知られる。これらによってノックアウトマウスの製作や
遺伝子標的法の技術を確立した。
マリオ・レナート・カペッキ(Mario Renato Capecchi, 1937年10月6日 - )は、
イタリア生まれのアメリカの遺伝学者。ユタ大学教授。
2007年ノーベル生理学・医学賞の受賞者。
同時受賞者は、マーティン・エヴァンズおよびオリヴァー・スミティーズ。

上のパネルは1996年イアン・ウィルムット Ian Wilmutはクローン羊「ドリー」
哺乳類の体細胞クローンは初めて。
ドリーは2003年に死んでおり、その剥製(はくせい)は現在、
スコットランド博物館に展示されている。
詳細な記事は下記サイトを照会してください。
1996年のクローン羊ドリーの誕生
イアン・ウィルムットと共同でドリーの誕生に貢献したキース・キャンベル博士が
2012年10月5日に58歳で死去したと英国のノッティンガム大学より発表されていました。
チームの中心的人物だったイアン・ウィルマット氏が2009年、英紙デーリー・テレグラフ
にキャンベル氏が最大の貢献者だったことを認めていた。
しかし、昨年のノーベル賞の受賞を逃してしまった。
山中博士はキャンベル博士とウィルモット博士の研究から「iPS細胞」の研究に踏み切ったと
インタビューで述べられています。
以上の内容は下記サイトを参照させていただきました。
http://quasimoto.exblog.jp/19032613/
1998年にCDB(理化学研究所)の若山照彦らはマウスの体細胞クローンの作製に
成功。

上のパネルは1998年ジェームス・トムソンが人ES細胞の樹立に成功。

上のパネルは2006年山中伸弥がiPS細胞の作製に成功。
上述のジェームス・トムソン氏も同じ時期にiPS細胞の作製に成功しています。

上のパネルは2007年ES細胞樹立のマーティン・エバンスMartin John Evansと
ノックアウトマウスの作製技術確立のオリヴァー・スミティーズとマリオ・カペッキ
の3名がノーベル医学・生理学賞を受賞。
ノックアウトマウスについて
特定の遺伝子のみを人工的に欠如(ノックアウト)させたマウス。
これまで実験的に調べられ、生体内での働きが推測の域にあった遺伝子機能の
解明などに役だつ実験動物として、医学、生物学などの分野で注目を浴びており、
生産、販売を事業展開する企業も出現した。
特定遺伝子を壊したマウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を受精卵に導入して、
正常な細胞とノックアウトされた細胞とが混じったキメラマウスをつくり、
何代か掛けあわせて作成されることが多い。すでに脳の情報伝達、筋肉形成に
関与する遺伝子などを欠如させた数百種類のノックアウトマウスがつくられて
いるとも報告されており、アルツハイマー病、パーキンソン病など難病の
モデル動物や遺伝子治療、新薬の開発への利用が期待される。
[飯野和美] 下記より引用。
”ノックアウトマウス”, 日本大百科全書(ニッポニカ), ジャパンナレッジ (オンラインデータベース), 入手先<http://www.japanknowledge.com>, (参照 2012-10-23)
by seiyo39
| 2012-10-23 07:07
| 神戸情報
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