長福寺 in 神戸市長田区 on 2012-12-20 |
写真紹介します。
長福寺の基本情報
住所:神戸市長田区長田町4-2-1
TEL:078-691-3351
宗派:臨済宗南禅寺派 山号:寿宝山
御本尊:虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
中興:寛喜2年(1230)南華禅師により開山
建武年間(1334-1337)には赤松円心が御本尊虚空蔵菩薩を深く
信仰したそうです。
開創:天武天皇の代(673-685)に凡河内忌寸(いみき)石麿という人が摂津国の国造に
任ぜられた際、氏寺として開創
観音霊場:福原西国観音霊場 客番1
上の写真は所在地を示す地図で長田神社の北側の宮川小学校に隣接した場所に
あります。
上の写真は2009年2月16日の神戸新聞 社寺巡礼76の切り抜きで
長福寺を紹介されています。
上の写真は入口から本堂の写真を撮ったものです。
十三まいりの幟旗が目立ちます。また右手の石碑には大日寺太山寺道及び
左 長田宮 兵庫津の道標があります。
有名な十三まいりについて上記の神戸新聞記事のように350年の歴史を誇る
伝統行事になっています。
Wikipediaによる十三まいりの解説
「十三参り(じゅうさんまいり)は、旧暦の3月13日(現在では月遅れで新暦の4月13日)
の間、男女とも数え年13歳の身祝いで、子供の多福、開運を祈って、古くから各地にて
さまざまな形で行なわれる。
十三歳の厄難を払い、智恵を授けていただけるように虚空蔵菩薩に祈願します
特に京都嵯峨における虚空蔵菩薩への4月13日の「十三参り」は有名である。
これに因み別名、知恵詣りまたは智恵もらいとも云う。七五三ほど全国的に一般的ではない。
初めて大人の寸法(本断ち)の晴れ着を着るが、肩上げを必ずする。この時期にそろえた
着物をおりあるごとに着せて、着物になじませ自然に立居振舞を身につけさせるはじめとする[1]。
また、半紙に自分が大切にしている漢字一文字を毛筆でしたため供え、ご祈祷を受けて、
最後にお守り・お供物を頂いて帰り親に感謝を述べる。お守りは身につけるようにする。
参詣の帰路、本殿を出たあと、後ろを振り返るとせっかく授かった智恵を返さなければ
ならないという伝承があって、狭い長い石段を降リ切った鳥居をくぐるまでは、
または渡月橋を渡り終わるまでは周囲の誘いにも動じず後ろを振り向かないで貫き通す
習俗がある(なお、お参りの前に子に教えておくことをすすめる)。
空海がそれによって飛躍的に記憶力を増大させたと言われる虚空蔵求聞持法に由来する。
また、13歳という年齢が元服の時期と合致するため、一種の通過儀礼として伝承された。
関西では七五三よりこちらの方が盛んな地域も多く、中でも京都嵐山の法輪寺・大阪の
太平寺・奈良の弘仁寺が有名である。関東では村松山虚空蔵堂がある茨城県那珂郡東海村
を含む茨城県北部地域で盛んなくらいであったが、最近では他の地域でも徐々に盛んに
なりつつあり、浅草寺では3~5月にかけて上記と同様の参拝客が目に付くようになった。」
岡山県美作の長福寺も有名のようです。
祈願の一文字の例:「知」や「美」など
上の写真は長福寺の本堂です。十三まいりが行われたのは350年前からと神戸新聞の
記事に書かれていますがこの裏づけとして本尊の裏に書かれた文面があります。
慶長元年(1596)閏7月12日の大震災により本堂が全壊し、本尊も相当損傷し、
半世紀を経た慶安4年(1651)修理を望む機運が熟し「里ん(りん)」という女性が
4月8日から7月10日まで写経の願掛けを行い一紙半銭の浄財を募って修理費用を賄い
慶応4年(1651)11月13日に修復が完了し元の輝きを取り戻したとときの住職が
書き綴っていたそうです。
修復後の秘伝のご開帳は縁日に行われその時期に合わせて十三まいりも行われるように
なったようで平成24年は3月10日、11日、13日に行われており上記の修理から
350回目にあたる記念すべき年であったようです。
平成25年(2013)は3月9,10,13日に十三まいりが行われる予定だそうです。
上の写真はお地蔵様を安置している地蔵堂です。
平成24年(2012)に行われた地蔵盆の様子の写真も掲載されていました(下の写真)
本堂の裏手には源平合戦の供養の一石仏(江戸時代以降のもの)が多く安置されていました。
(上の写真)大日寺(明泉寺)が近くに立地しており源平合戦の戦場になったものと
思われます。
上の写真は本堂のアップ写真で立派な鬼瓦にひきつけられてシャッターをきりました。
下記は福原西国観音霊場のリスト(御詠歌も付属)です。
今回紹介の長福寺は客番1です。
1番 医王山薬仙寺 時宗
住所:神戸市兵庫区今出在家町4丁目1-14
御詠歌:「諸人の願ひのままになる薬恵む仏のちかひたのもし」
2番 金剛山宝満寺 臨済宗
住所:神戸市長田区東尻池町2丁目11-1
御詠歌:「この寺へあゆみをはこぶ諸人のわたり絶えせぬ真野の継橋」
西摂大観では尻池の真野山法隆寺となっています。
(阪神淡路大震災で全壊 現在は清涼山地蔵院になっている)
3番 龍雲山海泉寺 臨済宗
住所:神戸市長田区駒ケ林町3丁目10-1
御詠歌:「海原のなみに浮みて御仏の ちかひの網にもれぬうろくづ」
4番 紫雲山 藤之寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区兵庫町1-3-6
御詠歌:「紫の雲もたなびき藤の寺 花もみもあり 法のすずしさ」
5番 海運山満福寺 曹洞宗
住所:神戸市長田区海運町4丁目1-1
御詠歌:「昔そのかげをうつせし御仏のふかき恵のこもる池水」
6番 月見山浄徳寺 真言宗
住所:神戸市須磨区北町1丁目4-28
御詠歌:「影清くてり渡るなり須磨の裏 秋の月見る山寺の庭」
7番 上野山須磨寺 真言宗
住所:神戸市須磨区須磨寺町4-6-8
御詠歌:「ふえたけの ここによよふる須磨寺に ふくや上野の松風の音」
8番 桂尾山勝福寺 真言宗
住所:神戸市須磨区大手町9-1-1
御詠歌:「秋ふかく染みし紅葉にてりそえる 月の桂の山に名におふ」
9番 毘沙門山妙法寺 真言宗
住所:神戸市須磨区妙法寺毘沙門山1287
御詠歌:「みやま路をはるばるゆけば御仏の妙へなる法の声をきくかな」
10番 神撫山禅昌寺 臨済宗
住所:神戸市須磨区禅昌寺町2丁目5-1
御詠歌:「秋もややくれないふかき山寺の 庭の紅葉の錦おりかく」
11番 観音山常福寺 真言宗
住所:神戸市長田区大谷町3丁目11−1
御詠歌:「はるばると詣れば弥陀の常福寺高きひくきも平等にして」
12番 白華山妙楽寺 臨済宗
住所:神戸市長田区池田寺町23
御詠歌:「おもしろき花のうてなに法の道 教へたへなるたのしみの寺」
13番 普門山福聚寺 臨済宗
住所:神戸市長田区西山町1丁目2-6
御詠歌:「かかるべき雲も嵐に吹きはれてあまねき門を照す月かげ」
14番 東海山長福寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区熊野町5丁目1−1
御詠歌:「きくたびにきむる夢野の草枕 かりそめならむ法の教へは」
15番 上野山願成寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区松本通2-4-11 元は烏原村にあったが水没で現在地に移動
御詠歌:「後の世も願ひのままになる梅の 花さく寺にあゆみはこばん」
16番 鷲峰山霊山寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区石井町2-4-1
御詠歌:「これもまた 法の教へと くむあかの 石井の水にうつる月かげ」
17番 潮音山東福寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区五宮町18−1
御詠歌:「山の名にかくる潮の音たかき 御法の声はたふとかりけり」
18番 天門山祥福寺 臨済宗
住所:神戸市兵庫区五宮町22−17
御詠歌:「見わたせばはれわたりけり天の門 法の教へをきくぞうれしき」
19番 花崗山福徳寺 浄土宗
住所:神戸市中央区花隈町15-1
御詠歌:「昔より御法たへせぬよつのときにはもせにきく花熊の寺」
福徳寺関連の小生のBlog(花隈城跡と天守跡)
20番 薬王山宝地院 浄土宗
住所:神戸市兵庫区荒田町3-17-1
御詠歌:「御仏のおほみ恵みのあらたなる 寺へあゆみをはこぶ諸人」
21番 医王山廣厳寺 臨済宗
住所:神戸市中央区楠町7丁目3−2
御詠歌:「世の人の願ひをちぢのみてごとに すてぬちかひの仏たふとし」
22番 般若林 延喜山 福昌寺(八王寺) 曹洞宗
住所:神戸市兵庫区羽坂通2-1
御詠歌:「あなとふと法のえんぎをきくたびに 極楽浄土ひとすじの道」
23番 大光山福海寺 臨済宗
住所:神戸市兵庫区西柳原町10−10
御詠歌:「彼の岸へわたすちかひの船出には われものりえんさいはいのうみ」
24番 巨龍山福厳寺 臨済宗
住所:神戸市兵庫区門口町3−4
御詠歌:「巨きなる龍のうききにのりへつつ ちかひの海をわたるかしこき」
25番 梅松山満福寺 時宗
住所:神戸市兵庫区東柳原町1−13
御詠歌:「ひとすじにたのみて参れ満福寺 ただみほとけの深きちかひを」
26番 真如山法界寺 浄土宗
住所:神戸市須磨区若木町2丁目3−30
御詠歌:「あらたなる法の教へをたふとみて 絶へず仏の御名をとなへん」
27番 円光山極楽寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区兵庫町2-1-37
御詠歌:「たれもいざ乗りはおくれし彼の岸へ わたせる船の便りもとめて」
28番 臥竜山恵林寺 臨済宗
住所:神戸市兵庫区兵庫町2-2-1
御詠歌:「龍のふす山のこずへはしげりあひぬ 御法は千代もたへじとずおもふ」
29番 経島山来迎寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区島上町2-1-3
御詠歌:「紫の雲にのりつつこの寺へ 来りむかはせたまふ御仏」
30番 川島山 永福寺
住所:神戸市兵庫区南仲町にあった寺院だが戦争で焼失
神戸事件の滝善三郎の供養碑は能福寺に移設された。
御詠歌:「世の人のまよふ暗路をてらさんと 光りたへせぬ法の灯火」
国際港都の生いたち(その7)では欣求山極楽寺 浄土宗を併記
住所:神戸市長田区苅藻通2-7-17
御詠歌:「くせの戸や末の葉ごしにおきみれば いつもたへせぬ海女の釣船」
西摂大観では客番1番に列挙 それに伴ない 客番2に寿宝山 長福寺 臨済宗
客番3に明泉寺 臨済宗となる
31番 浄国山金光寺 真言宗
住所:神戸市兵庫区西仲町2-12
御詠歌:「しげりあふ 庭の草木に おく露も 玉の光とみゆる たふとさ」
32番 宝積山能福寺(兵庫大仏) 天台宗
住所:神戸市兵庫区北逆瀬川町1-39
御詠歌:「うえもなき七つの宝積む山に いるこそ人は楽しかりけれ」
33番 西月山真光寺 時宗
住所:神戸市兵庫区松原通1-1-62
御詠歌:「みな人のつひにいらんもこなたへと 月落ちかかる西の山の端」
客番1 寿宝山 長福寺 臨済宗(今回紹介)
住所:神戸市長田区長田町4-2-1
御詠歌:「あらたふと導きたまへ法の道 ただひとすじに花のはちすへ」
客番2 天照山明泉寺 臨済宗
住所:神戸市長田区明泉寺町2-4-3
御詠歌:「萬代のここにあまてる御仏の ちかい妙へなる泉なるらん」
客番打納 海向山 阿弥陀寺 浄土宗
住所:神戸市兵庫区中之島2-3-1
御詠歌:「観音のみちびきひらく花山の御法 妙へなる阿弥陀寺の庭」
奥之院 摩耶山 天上寺 真言宗
住所:神戸市灘区摩耶山町2-12