三木市 金剛寺の鬼追い式 on 2013-4-14 |
きましたので紹介します。
如意山 金剛寺の基本情報
住所: 兵庫県三木市大村1041 TEL:0794-82-0722
宗派:真言宗 山号:如意山
御本尊:十一面千手観音菩薩立像 法道仙人作 脇士は不動明王と毘沙門天王
創建:白雉2年(651)法道仙人開基
鬼追い式はいろいろな呼び名があります。代表例を列記しておきます。
追儺(ついな)式
鬼遣(おにやらい)
鬼踊り
鬼払い
法会会
修二会
五来 重・桜井 徳太郎・大島 建彦・宮田 登=編
講座日本の民俗宗教 2 仏教民俗学
III 仏教年中行事 修正会・修二会と民俗(五来 重)から類型を整理したものが
ありましたので紹介しておきます。
多くの修正会、修二会はこれら19の類型のいくつかを組み合わせて行われています。
1)参籠型
2)鏡餅型
3)造花型
4)香水型
5)悔過(けか)型 走りの作法 五体投地
6)乱声型 杖や棒で床を打つ 鐘、太鼓、法螺貝や喚声をあげる
7)反閇(へんぱい)型 達陀(だだ) 走りと松明と八天跳躍からなる
8)鬼走型 鬼の面をつけて反閇
9)田楽型 田楽能
10)神楽型
11)火祭型 松明
12)裸祭型 裸で水垢離(みずごり)、押し合い、牛玉(ごおう)を争う 会陽(えよう)
13)牛玉型 牛玉宝印を加持し、これを参詣者や牛玉紙に捺す
14)大般若型 大般若経の転読
15)神名帖型 八百万神(やおよろずのかみ)を集める
16)魂祭型 過去帖を詠む
古くに中国から伝わった、年の終わりに方相氏が悪鬼を駆逐する追儺式の行事が、
やがて寺院の年頭の行事である、天下泰平・五穀豊穣・招福攘災を祈る修正会に
附属する行事、追儺で踊るようになったものです。
現在は正月から小正月、節分にかけて、真言宗・天台宗を中心とする寺院で踊られます。
金剛寺においても昔は正月1日から10日の間に行われていたが近年は4月の第2日曜に
行われるようになった。
以下の記事では境 一氏著の三木史談 36号(1996-7-5)Page 1-9
「如意山金剛寺縁起と鬼踊り」を参照させていただいた。
まず、2013年4月14日(日)の金剛寺春祭りの行事次第を書いておく。
10:00 大般若経転読 七難即滅と七福即生を祈願 於:金剛寺本堂
10:20 柴燈護摩(さいとうごま) 諸願成就、交通安全、家内安全を祈願
於:鬼追殿前広場
11:00 鬼追い式 大村町奉仕 諸悪退散、家内安全を祈願 於:鬼追殿
もちまき(鬼の餅まき) 於:本堂前
上の3枚の写真は鬼追殿で行われた鬼追い式。
2匹の鬼は松明を左手に右手は腰に置くことが基本となっており「おにこん はり」の
掛け声で左足を一歩蹴って松明を上方にかざします。
「おにこん そう」の掛け声で右足を一歩前にに蹴って前進します。
上の写真は6名の子鬼の踊り。次の8つの踊りがあります。
1)松明振り
2)味噌搗 「やあやあ」で床を2度搗く(つく)
「よいよい」で左下より打ち合わせ、また同様に右上でも打ち合わせ
一歩横に進みます
3)がせ又
4)打合
5)四方殿
6)天上車
7)切合
上の2枚の写真は平成23年7月吉日 三木市本町 成瀬晃暎氏が奉納された
金剛寺鬼追図と大日経感得図です。
上の写真はもちまきが行われた本堂です。
寛文5年(1665)に再建の記録があります。現在の本堂はさらに新しい時代に再建
されたお思われるが未調査で不明。
美嚢西国札所の2番観音霊場です。
御詠歌は「のちの世を願う心は金剛寺 不壊(ふえ)の身(しん)とぞなさしめたまえ」
上の写真は薬師堂。
秘伝の薬師如来は弘法大師の作と伝えられる榧(かや)の一木造り
脇侍に 日光菩薩と月光菩薩が鎮座する。建物は貞享3年(1686)の記録あり。