神戸市灘区の一王山 十善寺 訪問記 on 2013-10-6 |
写真紹介します。
十善寺の基本情報
山号:一王山 御本尊:十一面千手観音菩薩
宗派:臨済宗永源寺派
住所:神戸市灘区一王山町12-48
阪急六甲駅より神戸市バス16系統高羽町停留所から徒歩10分
TEL:078-851-7869
公式HP http://www.ichinousan.jp/
地図を添付しておきます。
ご詠歌
「われ人も草木もともに照します月かげ高き一王の山」

上の写真は十善寺参道の分かれ道で右手は車での参拝者でd右手には石屋川が流れて
います。左手が徒歩での参拝客の参道になっています。

上の写真は山門です。
左右には立派な仁王像が安置されています。(下の写真)



上の写真は本堂です。本堂の手前左側に説明板があり次のように書かれています。
臨済宗永源寺派
一王山 十善寺縁起
当山は後冷泉天皇の御宇、天喜五年(一〇五七年)に信覚大師の手によって創建された
もので往時には七十三の僧房と七堂伽藍を擁し、又、景勝の地の利も得て、誠に壮観で
あったと伝えられています。その後、兵火に遭遇し、総てを灰儘に帰するところとなりましたが
禅宗の高僧、宇光室禅師はこれをたいそう惜しまれ、諸堂や十三院を造営されました。
ところが、天正年中(一五七三~九二)織田信長の兵火でまた堂宇は焼失の憂き目にあい
現在の寺観は、元禄の高僧、永源寺・仙霊祖竺禅師の志を継いだ、高羽の楠本三左衛門
高重によって寛文五年(一六六五年)に再建され、宝暦十一年(一七六一年)に呑海禅師が
来てから完成されたものであります。御本尊には十一面千手観音菩薩を安置し、脇仏として
弘法大師を、又、諸天皇を祠っております。
最初の兵火と伝えられるのは、元弘三年(一三三三年)赤松円心(則村)が播磨国から攻め
上がり摩耶山城によって京都の北条軍を悩ました時で、円心が十善寺を戦いに利用したため、
この地方は戦場となり寺が焼かれたのであります。それ以後、寺はもとの地
(六甲ケーブル山頂駅東南、油コブシ付近)から現在の地へ移ったと言われています。
一王山と言う山号は、もと寺の南の地名であった一の尾を一の王にとって山号とし
『王は十善、神は九善』という所から寺号を十善寺と称しました。
背山には八十八ヶ所の霊場があり、毎月二十一日にはお大師様の日として
お供養しております。
合掌
十善寺はもともと赤松町の神戸大学経済学部にあったが元弘三年(1333)の戦火及び
織田信長の兵火にも遭い消失したが上記の説明文のように寛文5年(1665)楠本三左衛門
により再建された。さらに宝暦年間に(1751-1764)現在の形を整えた。
再建された場所は現在の一王山12の地である。
一王山の名前の由来であるが、十善寺がかってあった処の南に2つの尾根があり、それぞれ
一の尾、二の尾と呼ばれていた。一の尾は中世文書に「市尾山」とある。
一王山はそれをもじったものだそうです。
また、神戸史学会が編纂した書籍「神戸の町名」Page35によれば六甲ケーブル線路の
東の尾根を「一の尾」と呼ばれており六甲ケーブル下駅から「油コブシ道」を登ると
清水山南の南側にやや平面の台地がある。「展望用の椅子が置かれている西側一帯
に十善寺があったと芝晃氏が十善寺住職から聞いたとの話あり。そうすると神戸大学
経済学部あたりの赤松町付近に十善寺があった場所とは随分離れた場所にかっての
十善寺があったことになる。どちらの説が真実なのか興味が残されている。


上の写真は薬師堂と薬師堂の説明書きです。

上の写真は不動明王。

上の写真は供養石塔とお地蔵様。
説明書きでは十善寺の名前の由来について『王は十善、神は九善』という所から寺号を
十善寺としたとあるが、真言宗の菩薩十善戒からきたものとの仮説も成り立つのでは?
との考えもあるのかなと思う。
菩薩十善戒は不殺生(ふせっしょう)、不偸盗(ふちゅうとう)、不邪淫(ふじゃいん)、
不妄語(ふもうご)、以上の4つは「淫・盗・殺・妄」という一括りにされる。
不綺語(ふきご)、不悪口(ふあっく)、不両舌(ふりょうぜつ)、不慳貪(ふけんどん)、
不瞋恚(ふしんに)、不邪見(ふじゃけん)の6つを加えて十善戒となる。
十善寺はかって真言宗であったことから今でも21日のお大師さまの行事が継承
されています。
毎月21日 弘法大師お命日で先祖供養、ご祈願
1月21日 ご開帳(本尊十一面千手観音)
2月21日 涅槃絵(やる年、やらない年があります)
3月21日 お彼岸
8月21日 大施餓鬼供養
9月21日 お彼岸供養
12月21日 お炊き上げ供養
2009年7月30日神戸新聞に掲載の記事に下記のテーマで書かれています。
「毎日登山」の聖地 十善寺
リンクさせていただきます。
http://club.kobe-np.co.jp/mint/article/odekake/syaji2009073001.html
きょんさんのブログに登山道のこと八十八箇所のことが記載されていましたのでリンク
させていただきました。
http://ameblo.jp/kyotan12181961/entry-11628406765.html