JR御着駅周辺散策記 その12 宮山古墳 on 2013-9-28 |
撮影日:2013-9-28
宮山古墳の基本情報
所在地: 姫路市四郷町坂元414-1
問い合わせ先:079-252-3950 姫路市埋蔵文化財センター
形式:30m径の円墳 築造年代:5世紀後半
宮山古墳の見どころのポイントは次の4つである
1)平成10年に国の重文(考古資料)に指定の出土物
出土物は姫路市埋蔵文化財センターに保管
2)出土物の特徴から朝鮮半島から渡来した人物の墓であると推定される
3)市川下流の大型古墳である檀場山古墳との関連
4)竪穴式の石室が3つあること
宮山古墳の名前の由来は古墳に隣接して春日神社があることからか?
春日神社の写真を添付しておきます。
宮山古墳の周辺は現在も墓地となっています。現在は寺が残存していない?が
神仏習合の時代春日神社境内に寺院もあったものと推定します。
上の写真は宮山古墳の頂上部分の竪穴式石室の上部の柵。
上の写真は説明板でそのまま転記引用させていただきます。
宮山古墳 県指定史跡(昭和48年3月9日指定)
5世紀後半に築かれた直径30mの円墳で、尾根の突端部に位置している。
昭和44年と47年の2度の発掘調査の結果、並行する2つの竪穴式石室の下にもう1つの
竪穴室があることがわかった。土器のほか、刀・鏡・装身具など多様多種の遺物が出ました。
中でも二対の垂飾付耳飾りや金象嵌大刀などは全国にも類例のない貴重なものである。
出土品は一括して平成10年6月30日に国の重要文化財に指定された。
平成11年3月 姫路市教育委員会
見どころで市川下流の大型古墳である檀場山古墳との関連と書きました。
大型古墳の周辺に渡来系の古墳が築造されるパターンで兵庫県内では他に下記のような
例があります。渡来人は須恵器、鉄器などをもたらした。
神戸市西区の吉田王塚古墳とその周辺の出合古墳群及び西神ニュータウン内の古墳
加古川市の行者塚古墳とその周辺の池尻2号墳、カンス塚古墳
また重要文化財の解説として文化庁の重要文化財データベースから解説をそのまま引用
させていただきます。
兵庫県姫路市四郷町大字坂元字宮山に所在する宮山古墳の出土品一括である。
宮山古墳は、市川下流域左岸に存在する独立丘陵から派生した低平な尾根の突端に
立地している。昭和三十年代後半に第一主体部が盗掘を受けたため、昭和四十四年に
発掘調査が実施され、第一主体部の確認および新たに発見された第二主体部の精査が
行われた。また、昭和四十六年には土取り工事により、第三主体部の存在が確認された
ため、緊急調査が実施された。現在は兵庫県指定の史跡として保存・活用されている。
墳丘は直径約三〇メートル、高さ約四メートルを測る五世紀の円墳で、西側に造り出し
をもっている。その墳丘に主軸を東西にする竪穴石室が三基造営されていた。
盗掘を受けた第一主体部は四・六×一・八メートルの規模で、凝灰岩の割石を丁寧に
積み上げたものであり、床面は扁平な割石と川原石を平らに敷き詰める構造となっている。
第二主体部は三・四×一・二メートルの規模で、凝灰岩の割石を荒く積み上げる側壁に、
拳大の川原石を平らに敷き詰めた床をもっている。第三主体部は第二主体部に類似し、
三・四×一・一メートルの規模で、凝灰岩の割石を荒く積み上げた側壁と、小振りな
川原石を平らに敷き詰めた床をもっている。
第一主体部は盗掘を受けているため副葬品は少ないが、第二・第三主体部から
出土した副葬品はきわめて多彩な内容をもっている。金製の垂飾付耳飾、銀製の指輪、
金銅製の帯金具等、多彩な素材を用いた装飾具をはじめ、鉄製の武器・武具類、
須恵器等の優れた副葬品を有している。
なかでも金垂飾付耳飾等の装身具類、大形の鉄刀・須恵器類は朝鮮半島的な色彩を
色濃く感じさせる、きわめて興味深い一括資料である。同時に須恵器類は、定型化直前の
一括資料である点もその学術的価値は高い。
なお、墳丘出土の玉類・須恵器・土師器・埴輪・鉄製品も、表面採集されたものが多い
ものの、本古墳出土品の全体像を考えるうえで、附としてともに保存を図りたい。
また出土物の写真は姫路市埋蔵文化財センターのHPの中で公開されています。
姫路市埋蔵文化財センター5周年記念特別展の展示。
宮山古墳
H22年10月3日~~11月28日。
上の2枚の写真は姫路市埋蔵文化財センターの展示で宮山遺跡からの出土品の一部
と宮山古墳の説明板です。
上の3枚の写真も姫路市埋蔵文化財センターの展示で宮山遺跡を上空から撮ったもの
及び3つ石室の位置関係を示したパネル展示です。
開館記念特別展「宮山古墳」図録
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