賽ノ神神社 in 神戸市垂水区名谷町東名 on 2014-1-28 |
賽ノ神神社の所在地を地図で示します。(下に添付)
賽神(賽ノ神)は集落や家に疫病神など悪い神が入らないように祈る神です。多くの場合、集落の入口、辻(十字路や三叉路)に建てられます。
参道の両側の石灯籠は昭和59年(1984)松本宗和氏と松本武将氏が奉納したものです。
『名谷誌』 名谷誌編集委員会、名谷町連合自治会、1973年のPage411で松本卯平氏の記述によれば18世紀(安永元年(1772))海際の聖地に弁財天を迎え社を建立し、石灯籠も一対建立され宇兵衛、善兵衛が奉納の刻印があったようです。
さらに上記の記述によれば安政4年(1854)に改築され古材は転法輪寺に引き取られたそうです。
また、松本卯平氏は東名村の歴史について次のように語られています。「寿永の昔、一の谷の合戦の落ち武者の遺跡とともに東名村の祖先が住み生活してきました。名谷の地形も現在と異なり海が入り江となり入り込んでいたようである。住人は農耕、漁業、山猟を業として自給自足の生活をしていた。松本卯平氏のお宅でも大鋸、火縄銃が残っており、祖父から蛸壺作りの昔ばなしをよく聞いた」とのこと。
弁財天と賽ノ神について昔から松本家ではベライテンと崇め熱心に参拝していた弁財天の財を訛ってサイと発音しサイの神となったのでは?と言われています。明治期の神仏分離令、廃仏毀釈の影響によりもともと真言宗に所縁深い弁財天が賽ノ神神社に名称変更せざるを得なかったとも述べられています。
賽ノ神神社は現地の看板に水神と書かれており。農業に欠かせない水の確保を願う信仰もあったものと思われます。