平壌の高層住宅崩壊=死者多数か―北朝鮮、異例の公表(時事通信社) - エキサイトニュース |
時事通信社 2014年5月18日 11時47分 (2014年5月18日 16時03分 更新) より転載
【ソウル時事】北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、平壌の住宅建設現場で13日、重大な事故が発生し、人命被害が出たと報じた。韓国政府関係者は、23階建ての住宅が崩壊し、相当な数の死者が出ていると明らかにした。
北朝鮮では建物の完工前に住民が入居するのが一般的だという。韓国政府関係者によると、この住宅には92世帯が住んでいたと推定され、入居者の多くが犠牲になった可能性もある。
朝鮮中央通信は「平壌市平川区域の建設場で、住宅の施工をいいかげんに行い、監督を正しく行わなかった幹部らの無責任な行為によって重大な事故が発生して、人命被害が出た」と報じた。「即時に国家的な非常対策機構が生存者を救出し、負傷者を治療した」としているが、犠牲者数など詳細は伝えていない。
また、金正恩第1書記が「非常に胸を痛めて、幹部が事故現場へ出向き、事態を一日も早く収拾するよう指示した」と報じた。17日には、崔富一人民保安相ら幹部が事故現場で遺族に謝罪した。
平壌にはエリート層が多く住み、高層住宅の建設が盛んに行われている。中心部に近い平川区域での大事故は、金第1書記の威信を傷つけかねない。
北朝鮮が自国の事故や、これを受けた幹部の謝罪の事実を明らかにするのは異例だ。韓国で起きた客船沈没事故で政府の対応のもたつきが批判されていることを勘案し、誠実に対処している姿を強調している可能性もある。