須磨琴 |
下の写真は須磨寺(正式には上野山福祥寺)の宝物館に展示されている須磨琴です。
須磨琴は長さ約110cmの桐材で作成された琴に1本の絹糸を張った素朴な一弦琴です。
在原行平が平安時代、文徳天皇の時代に須磨に流された際、寂しさを紛らわすために、
浜辺に流れ着いた流木(舟板、卒塔婆)に冠の糸を1本結びつけ、芦の茎を切って指に
はめて弾いたところ良い音色であった。これが須磨琴の始祖である。
また須磨琴の由来について、足利義政の時代に能阿弥という芸能者が珍しい楽器を収集するために諸国を旅し、須磨寺に寄宿した折に、古い関屋の板を得て、都に帰り将軍義政に献上
したところ、将軍は一弦琴を製作して愛用するようになったとの伝説もある。
この話を聞いた河内駒谷(羽曳野)金剛輪寺の僧覚峰(1729-1815)がその技を再興、
以来須磨琴と名付け門人に広めた。
昭和40年(1965)に須磨寺で須磨琴保存会が発足し、多くの後継演奏者が搬出し、
現在に至っている。
特に小池美代子氏は昭和44年(1969)に免許皆伝を受け、その後もその技を磨きつつ、
師範として後進の指導に務められています。