相楽園 船屋形 |
船屋形は、江戸時代に姫路藩主が河川での遊覧用に使っていた川御座船(かわござふね)
の屋形部分だけを陸上で保存したものです。
現存する御座船は他に細川家波奈之丸舟屋形、西光寺船屋形茶室(香川県)が
ありますがいずれも海上用で川御座船としては全国唯一のもので昭和28年(1953)
8月29日に国の重要文化財に指定されています。
構造は2階建切妻造、段違屋根桧皮葺(ひわだぶき)で中央が一段高い段違い屋根で、1階、2階それぞれ3室、前方より「床几(しょうぎ)の間」「上段(じょうだん)の間」「次の間」と呼び、2階中央の上段の間は小さいながら「床」がつく藩主の御座です。
2階の床几の間は船の指揮者が坐ります。
木部は内外共に木肌の見える春慶塗と重厚な黒漆で塗り分けられ、長押(なげし)や
垂木(たるき)の先端等に金箔を打った飾金具、建具は桟を黒漆塗、その間は金箔押しと
なっています。
船屋形の歴史
1682~1704 姫路藩主本多忠国の在城時姫路藩公の御座舟として建造。
現在復元された金色の飾金具に榊原氏の紋が刻まれているがその裏面に本多家の
家紋が刻印されていることから上記の建造年代が推定されている。
明治初年(1868)までは飾磨港附近に係留されていました。
明治初年(1868) 高砂の川本氏の所有となる。
陸揚げに伴い不要となった船体部分は解体。1階部分を茶室として
利用するため高さを上げられた。次の間も解体された。
昭和12年(1937)5月27日 重要美術品に認定
昭和14年(1939) 所有者が牛尾氏となる。(神戸市垂水区舞子の牛尾邸内)
昭和16年の復元工事で上下各3室とし、屋根も瓦屋根から桧皮葺に
戻す。
昭和28年(1953)8月29日 重要文化財に指定
昭和53年(1978)3月1日 牛尾吉朗氏より神戸市に寄贈
昭和55年(1980)3月31日 相楽園への移築工事が完成
平成13年(2001) 半解体修理工事実施